お知らせ

■ 「戦争をしなくてすむ世界をつくる30の方法」
合同出版/平和をつくる17人・著/田中優+小林一朗+川崎哲・編
が刊行されました。

■ 「現代思想」8月号(特集・「核」を考える)に下記の文章を寄せました。
「アメリカの核兵器」と核不拡散体制(川崎哲)


週刊イラQ声明

世界中の力を合わせて、戦争の即時中止を実現しよう。
その運動を通して、この選択がまちがっていたことを歴史の中に刻み込もう。


 米国の独善行動主義に対して、世界の反戦世論が原動力となり、国連を舞台に展開された各国の外交努力の結果、この戦争には正当性のかけらもないことが、国際社会の中で明白となった。にもかかわらず、戦争は強行された。

 マスコミは、米軍の広報室に成り下がろうとしている。初日の攻撃は、フセイン大統領が民家に潜んでいるとするCIAの情報に基づいて、その民家をターゲットにしたものであった、本格的な開戦ではまだない、と報道している。ならば、バグダッド市内と近郊に撃ち込まれたという40発の巡航ミサイル・トマホークと4発のバンカー・バスターが、いったいどのような結果をもたらしたのか。その民家はいったいどうなったのか。民家には民間人が住んでいたのではないか。そのことに触れない、取材しない、報道しないとすれば、マスコミは戦犯の一味であると言わざるを得ない。米国の軍人でもないのに「砂嵐で視界が見えない」とテレビで悩ましげに語る識者は、砂漠にでも消えうせろ。「砂嵐で視界が見えない」のは、我々がいますんでいるこの社会そのものの姿である。

 マスコミが報じないのであれば、自分たちで、得られるリソースをフル活用して、事態を注目しよう。湾岸戦争でも、アフガン攻撃でも、米軍はさまざまな戦争犯罪行為を行ってきた。いま進行中の戦争で、戦争犯罪行為が行われているという事実を、一つ一つ挙げていこう。そして、この選択がまちがっていたという揺るぎない事実を、歴史の中に一つ一つ刻んでいこう。

 一市民にできることには限界がある。しかし、一人が、その持てる限りで全力を挙げて、さらに、あらゆる国のあらゆる社会セクターと力を合わせていけば、戦争の即時中止を実現することは可能である。戦争は開始されたが、すでに世界中が戦争の即時中止を求める声をあげ始めているのだから。

 大量破壊兵器の廃棄、中東の平和・安定・自由化・民主化、独裁政治の排除・・・さまざまな美辞麗句がこの戦争の正当化に使われてきた。どれもすばらしい理念である。しかし、5千発の戦略核弾頭を実戦配備し、「すべての爆弾の母」などと命名した巨大な非核兵器がきのこ雲をあげる姿ににんまりと笑みをたたえる国防長官を擁し、証拠がないのに奴は兵器を保有しているとがなり立て、では証拠を調べようと提案する査察団の活動を強行的に停止させ、すべての国際合意と国際法をかなぐり捨てて、独善的に軍事行動へと突入する世界随一の無法者政権に、これらの理念を語る資格はいっさいない。

 これに無批判に追随し、ブッシュが高揚すればその威光を背にしていると言わんばかりに、突如として「イラクは国際社会を愚弄した」「フランスは甘えている」などと、とても外交とは思えない言葉遣いを恥じることなく続ける小泉純一郎、川口順子、福田康夫、安倍晋三その他の面々には、即刻ご退場を願おう。

 いま我々が目の当たりにしているのは、一瞬一瞬が、「アメリカは我々を守ってくれる。アメリカは我々の社会を平和にしてくれる」という説明が完全な嘘であるということの一つ一つの証拠である。この証拠を歴史に刻もう。これらの輩が、どんどん、日本を、アジアを、世界を、危険にしている。それに対して、我々は平和を作ろう。時間はかかるが、一つ一つ順を追って、大量破壊兵器を廃絶し、軍備撤廃を実現し、人々が自由に生きられる社会、民主主義の保障される社会を作っていこう。楽しく生きるまともな世界を作ろう。恐怖におびえて下を向いて生きるよりも、少しずつ汗を流して前向きに生きていった方が、ぜったい楽しい。

2003年3月20日
川崎哲(「週刊イラQ」編集・発行人)



自己紹介します


川崎哲(かわさき・あきら)と申します。

 1968年11月生まれ、男性です。1991年1月の湾岸戦争開始を受けて、日本の戦費支出に反対する学生の平和グループ「ピース・チェーン・リアクション」に発足当時から参加し、中心的に活動しました。並行して、90年代前半は「渋谷・原宿 生命と権利をかちとる会(いのけん)」に発足当時から参加し中心的に活動しました。同会では、外国人労働者の労働・人権問題、ホームレスの人権問題の解決に取り組みました。当時の職業は、身体障害者在宅介助(約7年間)でした。その後、1998年1月より2002年12月まで、NPO法人「ピースデポ」のスタッフをつとめました。うち後半3年間は事務局長をつとめました。水泳とスキーが好きですが、最近は太ってしまいました。

お金についての考え方

 上記のように、いろいろなNGO活動に関わってきましたが、NGO活動にとってお金というのは非常に重要な問題です。私は、10年くらい前は、「NGOだけがえらいのだ」みたいにとんがっていましたが、その後いろいろな社会セクターの方々と知り合うにつれ、他の分野から学ぶことは非常に多いと感じるようになりました。「公共性」という考え方は公務員の方々から、「世論に応えうる議論を展開する」という考え方は新聞記者の方々から、「ものが売れる/売れないは社会的ニーズを反映している」という考え方は民間企業の方々から学びました。どのご職業も、NGOに通じるものがあると思いました。専門的な調査活動が学術研究者に近いということは、もちろん、言うまでもありません。
 その上で、いま、NGO活動者という仕事は「お笑い芸人」に近い職業だと実感しております。NGOは、夢を与える仕事です。誰もが、「戦争なんてない方がいい」と思っています。でも毎日の現実を見るにつけ、「そんなの無理だよな」と思いながら、帰宅後テレビを見ます。テレビに映る「お笑い芸人」たちは、多くの人たちのささやかな希望と、それと裏腹な現実をとても深い洞察力で分析しながら、「もしかしたら希望はまだあるかもしれない」という思いをチラリと振りまくことにより、笑いをとっているのではないかと思います。私もそれにならって、「戦争は絶対に止められる」と大言壮語しながら、でも「ひょっとしたら本当に可能かも」ということを私なりの芸により皆さんにお示ししたいと思います。それによって、いくばくかの希望と、明るい気持ちと、やる気のでる行動へのきっかけを提供できればうれしいところです。
 このサイトで提供している情報のうち、「週刊イラQ」については「購読料3,600円」という値段を設定させていただいています。その趣旨は、「戦争を止めたい」という皆さんの心からの願いに、本当に前向きに役立つような情報を提供する、そのための芸を日々精進しながら磨いてお伝えすることをお約束しますので、その芸を見て、「これはおもしろい」ともしお感じになったら、投げ銭のつもりで振り込んでください。芸が下手な場合は、お金はいりませんので、ヤジを飛ばしてください。

 その上で、戦争を止めるために皆で共同で汗を流す、そういう活動には、私自身もちろん、皆さんと同様自腹を切って共に参加したいと思います。

2003.2.24 川崎哲



読んでみてください

 最近では下記の書物、雑誌等に書いたりしゃべったりしました。ご参照下さい

○合同出版「戦争をしなくてすむ世界をつくる30の方法」 (1300円)
  平和をつくる17人・著/田中優・小林一朗・川崎哲・編

○青土社「現代思想」2003.8月号 (1300円)
  「アメリカの核兵器」と核不拡散体制

○岩波書店「世界」2003.5月号 (780円)
  イラク戦争で揺らぐ北東アジアの平和

○朝日新聞社 アエラムック 「平和学がわかる」 (1200円)
  NGO活動入門:「平和な社会を作りたい」という強い気持ちと目的意識を持つ

○「週刊金曜日」2003.2.7号 (500円)
  イラク戦争反対!全国情報コーナー:「イラQ」で広める反戦の輪(高橋真樹さん)

○「インパクション」134号(2003.2) (1200円)
  米国の対イラク戦争と国連の試練

○「Stage」Vol.9 (2002.5) (750円)
  対話が世界平和を生む